5月の定休日のお知らせ

 5月の定休日のお知らせです


       30日(火) 01日(水)

       07日(火) 08日(水)

       14日(火) 15日(水)

       21日(火) 22日(水)

       28日(火) 29日(水)

 

基本火曜と水曜が定休日です

 

現在閉店時間を一時間繰り上げ12時~19時の時短営業中です

  
  ご来店お待ちしております

デジタルス賛 追悼:森谷朋裕

デジタルスの森谷朋祐さんが2月20に日に逝去されました

心から追悼の意を表します

 

 森谷君との出会いは純粋に作品からだった。90年代初頭、渋谷ディスクユニオンの店長をしていた頃だ。その店は前任から引き継いだ時、既にインディーズをプッシュする店だった。

 それまで私は新宿のUK盤専門フロアにいて、英国で仕入れたオルタナティヴ音楽の知識を生かして 洋楽のNew Waveを主に仕入れて販売していた。人生時代の卓球さんにMUTEのレコードを売ったり、Bach Revolutionの小久保さんにプログレを売ったりしていた。

 なので店長として渋谷に赴任した時は呆気にとられた。バンドブーム直前の当時のインディーズはなんとも情けない子供の遊びに見えたのだ。私はレコ屋になる前に自主制作盤を作ってユニオンに納品していた。だからこの店の店長に抜擢されたのだが、その頃(81‐4年)の自主制作盤自画自賛するようだがもっと斬新でオリジナリティあるものが大半だった。売れる気なかったし。

 かくて有象無象のバンド兄ちゃんのロック気取りのインディーズを日々取り扱ってホトホト嫌気がさして居た頃、営業本部のインディ受付担当から「こんなの取り扱い希望で来たんだけど、どうですか?」と問い合わせが来た。それは当時でも時代遅れのカセット作品で、少し前に出たクラフトワークThe Mixをパロったジャケで、ご丁寧に(カセットなのに)帯まで付いていた。それがデジタルスのセラミックスという作品だった。一聴して爆笑&感動した。それは80年代テクノポップへの愛情が満ち溢れた楽しい曲群だった。クラフトワークの名曲がソロバンの音でアレンジされてメドレーになった算盤組曲 キンクスYou Realy Got Meゲイリー・ニューマンに仕立てたユー・リアリー・カーズ、オリジナル曲もシンセの一音一音まで考え抜かれたテクノポップならではの音色で、歌詞も含めてオマージュというものの見本のような出来だった。

 店には私が趣味で設置したテクノ・コーナーがあり、そこそこに顧客もついていたので「売れる。売ろう」と思った。早速連絡先である森谷君に電話して「面白くて是非売りたいのでまず50本、納品お願いします」と話すと「そんなに沢山すぐには作れないですー」とトホホな返答。手作りだもんね。

 納品されたそのカセットは好調に売れて、反応も上々。かくてデジタルスのカセット作品は作品数を重ね、アルバムにして7-8種は作ってもらったと思う。

 しかし96年、私が移動で店を離れ、ほどなく同社を退職したため、デジタルスとの接点は消えてしまっていた。2000年前後は私はクラブ系テクノの店にいて、レトロなテクノポップとは距離があった。しかしクラブ・テクノが初期の先進性を徐々に失い、単に踊るためのツールばかりになった(と私は判断した)時に私は本来の方向性であるNew Waveの専門店を生業にすべくMECANOを開店しようと思った。

 

 その時に真っ先にコンタクトをとったのがデジタルス=森谷君だった。もしかしたらもう音楽は作っていないかもしれないけれど、あの作品群をリニューアルして販売させてもらえないだろうか、と打診した。返事は良いもので新たにホタテクノ・レーベルが発足し、旧作のCD(R)化が進み、企画物としてシングル盤サイズジャケのシングルCD、変名作品、かつて森谷君が作っていた映像作品のDVD化、人脈の他アーティストの作品も登場してメカノの店頭を飾った。DTPが得意な森谷君はチラシ「ホタテクノ通信」なんてモノまで作り、それも回を重ねていった。

 勿論、デジタルスは私以外にその音楽/作品をプッシュする売り手はおらず、評価するメディアも皆無だ。CDを売っているのはMECANOだけなので、単品当たりの販売数は数十の単位だった。森谷君は奥ゆかしくも自分の作品は安価で、というポリシーでフルアルバムでも売価は1200円で凝ったベスト盤も1500円だった。CD販売のマージンは30%だったので一枚売って儲けは360円、これは仕事としては薄利極まりない。でもデジタルスは大きなスペースで面展示していた。こういう事をやりたくて自分の店を持ったのだから。

 ここで問題が出てきてしまった。カヴァーやオマージュ曲は著作権をクリアーしていなかった。販売数数十本のカセットやCDRなら問題は無かったものの、その規模をだんだん上回ってきてしまったのだ。生真面目な森谷君は音楽の売り上げ収入に対する税申告や手続きに悩み、結局一旦レーベルをストップせざるを得なくなったのだ。現在デジタルスの音源を売っていないのはこのため。

 しかし2015年には純粋なオリジナル作品としては17年ぶりの「電池」をリリースして復活、お店の記念CD築10年にも参加してもらい、念願の東京ライヴもクラフトワイフさんや伊藤秀樹さんがサポートすることで実現した。再度しばらくのブランクがあったものの、今年には変名の新作「ヤムヤムサピエンス / ディスコ★サピエンス 」もリリースしてつい2月中ごろにはそれを紹介した瓦版に対する感謝メールをもらったばかりだった。

 森谷君の死因は急性心不全とのことで、就寝までまったく異変が無かったにもかかわらず、一夜明けたら息を引き取っていた、とのこと。

 30年の交流で直接顔を合わせて話をしたのは2‐3回だし、頻繁にやり取りしたメールはほぼ音楽の事ばかりだったにもかかわらず、彼との奇妙な友人関係は損なわれることは無かった、と思う。

 彼の作るアマチュアならではの、金や名声のための音楽ではない、純粋な音楽への愛情と熱意と敬意。私が音楽に求めるものの8割くらいを体現した森谷君=デジタルスを私はこよなく愛している。

 

3月の定休日のお知らせ

 3月の定休日のお知らせです

       05日(火) 06日(水)

       12日(火) 13日(水)

       19日(火)          21日(木)

       26日(火) 27日(水)

 

20日水曜日は休日につき営業、翌21日木曜に代休いただきます。

 

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2月の定休日のお知らせ

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       06日(火) 07日(水)

       13日(火) 14日(水)

       20日(火) 21日(水)

       27日(火) 28日(水)

 

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12月の定休日のお知らせ

 12月の定休日のお知らせです

         

       05日(火)  06日(水)

       12日(火)  13日(水)

       19日(火)  20日(水)

       26日(火)  27日(水)     

 

年末は30日まで営業、31日、1日、2日が正月休み

新年は3日正午より営業開始いたします

  
  ご来店お待ちしております